第1話 二人の地元に根付く、珈琲のある豊かな場所をつくりたい


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涼しい秋晴れの午前9時。

京都市営地下鉄東西線 椥辻駅の地上に上がると、

早速、香ばしいかおりが漂ってきました。

椥辻のメインストリートが交わる交差点を一望できる場所に

珈琲製造・卸・小売業を営む弘陽珈煎さんはお店を構えていらっしゃいます。

椥辻駅の朝の顔です。

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こちらが弘陽珈煎店主の山本さん。

お店で焙煎したコーヒー豆をレストランやカフェ、オフィスに卸されたり、

店内にてコーヒー豆の小売をしていらっしゃいます。

なんと、卸されている豆はレストランやカフェごとに合ったオリジナルブレンド。

一般のお客様の中にも、ブレンドの割合を細かく指定して注文されるツウな方もいらっしゃるとのこと!

 

ー始められたきっかけは?ー

大学生の時から喫茶店が好きで、将来コーヒーを提供できる店を持ちたいと思っていました。

新卒の時にはコーヒーメーカーを第1志望に就職活動をしましたが、

当時はバブル崩壊直後で不安定ということもあり、

なかなか内定をいただけず、幸いにも内定を頂いていた住宅設備の会社に進みました。

そこに就職した時もずっと頭のどこかでコーヒーのことを考えていて、

就職4年目にしてコーヒーメーカーに転職をしたんです。

そこから独立を前提にコーヒーの営業の仕事をしていました。

たまに工場での仕事があったのですが、

もっぱら”どうコーヒーを焙煎しているのか”ということへの関心が大きかったこと覚えています。

このコーヒーメーカーで4年勤めたのち、独立しました。

14年前こちらのコーヒー豆店をオープンするまでは草津で焙煎し、

豆の卸、配達業のみでスタートしました。

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創業5年目に自宅のある椥辻にある今の店の物件と出会い、

草津から引っ越してきて、この小売店をスタートさせました。

自宅から近いということもあり、奥さんも運営に加わり、

夫婦二人三脚で運営しています。

駅前で人通りも多く、一般の人も気軽に買いに来れるお店になり、

近所のレストランやカフェのお店とも仲良くさせていただいています。

先日、椥辻に越してきて9周年を迎えました。

草津時代を合わせると14年目になります。

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(毎日暑い器械の前で焙煎されていることがよくわかります。)


ーどんなお店をつくりたいですか?ー

実は妻とは小中高の同級生で地元が一緒なんです。

大学生になって友達に引き合わしてもらうまでは、一言も喋ったことなかった仲なんですが、

再び出会ってから意気投合し、結婚しました。

今の私たちの夢は地元である烏丸鞍馬口近辺に

地域に根ざしたコーヒーを提供できるお店を作ることなんです。


ーその場所でどんな人とどう関わっていきたいですか?ー

町家や古民家を使ったような、落ち着ける居場所をつくりたいです。

自分たちの生まれ育った地元の人と毎日顔を合わせ、

今までずっと作ってきたコーヒーを

味わってもらえたら、とても幸せなんです。

地域に根ざして長く続けていけるような場所にしたいです。

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今のお店でもご近所さんが楽しみにしている弘陽珈煎だより。

目の前でお客様の「美味しい」が聞ける店舗を、

お二人が運営される日が来ることが楽しみです。

(ライター:扇沢