(祝!)第11話 はたおり屋さんに継がれていた屋根裏部屋付きの町家


こちらの家主さんは、素敵なマッチングを完了されました!

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昔、二条城からさらに北西に進んだ長屋の一角に、はたおり屋さんを営む一人の女性が暮らしていました。

時を経て、その後、伝統工芸を現代に引き継いでいきたいという志を持つ20代半ばの女性が

偶然にも同じく、はたおり屋さんを営みながら、一人でその町家に暮らすことになりました。

その後、女性は結婚が決まり、旦那さんと暮らすために新しい家へと引っ越すことになりました。

今回ご紹介したいのは、そんな、はたおり屋さんを営む女性に受け継がれてきた築65年以上経った町家です。

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ご案内人は、地域の縁を繋ぐ “京町家専門” の不動産屋さん

ご紹介くださるのは「京町家専門店 エステイト信」店主・井上 信行(いのうえ のぶゆき)さんです。

井上さんは、法律事務所や、賃貸や売買を広く扱う不動産会社での勤務経験を経て

平成9年に独立し、その後「京町家」を専門とされるようになりました。

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地元京都が今まで築いてきた歴史や、育んできた人と人との縁ある暮らし。

井上さんは、大好きな地元に恩返しをすべく、地域の想いを受け継いで繋ぐ役目を担いたいと

「京町家」という職住一体型で暮らしに深く関わる分野を選択して、不動産屋を運営されているのです。

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新しく暮らす人たちも、地域との縁を育みやすいように

そんな想いのもと、井上さんは、他の不動産会社ではなかなか見ないような取り組みをしています。

例えば、物件探しで訪れた人に対して、地図を用いて、歴史から見た該当地域の成り立ちを説明するのです。

物件単体だけでなく、その地域にどんな暮らしが息づいてきたのかを具体的にお話してくださいます。

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また、新しく地域に住み移ってきた小さなお店同士が繋がる機会が生まれるようにと

「観光地ではない京都を歩く、町家ショップらりぃ」という町巡りのスタンプラリーを

「特定非営利活動法人 京町家・風の家」という顔を持って、お店と協力して実施することもあります。

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他にも、各店舗を会場として、お茶体験や風呂敷のワークショップを実施するなど

伝統文化を学んで、地域全体の縁を一緒に育んでいけるような取り組みを積極的に行っています。

 

はたおり屋さんに継がれていた屋根裏部屋付きの町家

さて、そんな井上さんがご紹介くださる今回の物件を見ていきましょう。

町家の引き戸を開けると、もう一つ可愛らしい扉が出てきます。右手前が棚、左が居間です。

ひし形の小窓が可愛く、井上さんも「この扉のつくりは他に見たことがないなあ」とのこと。

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気になる扉を開ける前に、まずは左手のガラス戸を開けてみましょう。

そこには6畳の居間が広がっています。以前住んでいた20代のはたおり屋の女性が

次の人がもし良ければと残してくれた机や、暖をとる小さな火鉢などがあります。

黒電話は、もう通話は機能しないかもしれませんが、とても絵になります。

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では、お待ちかねの、ひし形窓の扉を開けて先に進んでみましょう。

そこには通り庭が奥まで続いており、壁に添って台所が続きます。

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台所の棚には、可愛らしい水色と濃い赤色のタイルが敷き詰められています。

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下は棚になっており、調味料や食器など、台所周りで使用する背の低いものが

たっぷり収納できるようになっています。4箇所もあって意外と結構入りそうです。

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足元だけでなく、頭上にも棚があります。

使用する頻度の高い茶碗類は、こちらへ収納するのも良いかもしれません。

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台所の一番奥に、簡易的に取り付けたシャワースポットがあります。

カーテンを購入して取り付けると、シャワー室として囲って使えそうです。

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そして、通り庭の突き当たりにあるのがトイレ。半自動式になっています。

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通り庭の突き当たりの左手に、コンクリートの土間が広がっています。

この窪みは、以前はたおり屋さんが、はたおりの機械を設置するときに

高さがあるため一度地面を掘り下げて便宜的に窪みをつくった、その名残りです。

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土間の天井は、トタン窓になっているため、太陽の光が注ぎます。

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土間に面した戸を開けると、もう一つの6畳の居間。

その奥には、先ほど見た居間が連なって見えます。

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居間の横にある襖を開けると、押し入れのようなスペースから、2階に続く階段が登場します。

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この階段の上にあるのが、そう、天窓付きの屋根裏部屋です。

天窓がいくつかあり、光を取り入れられるため、4畳と小さめの空間ですが

なんだか居心地の良い空間です。物置にしてしまうとしたら勿体ないくらい。

1階は、ギャラリーやアトリエなど時々来客があるような開かれた場の運営をして

2階は、ひとり用の住居にしてしまうのも一つかもしれません。

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以前ここで、はたおり屋さんの若い女性が暮らしていた頃

近所の元はたおり屋さんのおばあちゃんが、熱心になって応援をしていたそうです。

そのおばあちゃん「20歳若返ったのでは?」というくらい活き活きして

部品を提供したり、はたおりのコツを教えてあげたりしていたそう。

伝統工芸の伝承を通じて、年代を超えて心が通いあえるなんて、素晴らしいですよね。

 

一緒に京都に根差して暮らしていく人を

井上さんが大切にされている言葉は「点と点が繋がって、線となり、やがて町になる」ということ。

“人と人”そして、“人と町”の繋がりを大切にしながら、京町家の職住一体型の暮らしを営んでいきたい、

そんな想いをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ京都物語商店までお気軽にお声掛けください。

井上さんとご一緒に、町を活気づける兆しとなる点を、鮮やかな線から彩りある豊かな面へと広げていきましょう。

(ライター:FootPrints 前田 有佳利