FUFUは、梅小路エリアに位置する元かまぼこ工場を、都市生活者と地域資源の接点となる「共創型・食のインキュベーション施設」として再構築したプロジェクトです。元々一つの事業者による工場でしたが、人口減少社会における都市部の課題──小規模事業者の起業環境や、地域資源の再流通、生活者の食の豊かさ──に応える場として、大きく役割を変えました。
施設内には、食品加工に対応したシェアキッチンや包装・保管設備、飲食営業・販売が可能なポップアップブース、コワーキングスペースといった試験的な機能を曜日ごとに顔を替えるキッチンとして併設。建物の構造は大きく変更せず設備や建具を再構成することで、複数の小さな営みが共存する“都市の小工場”を実現しました。
従来のシェアキッチンと異なり、ここでは「生産→加工→販売→交流」までを一棟内で完結できるのが特徴です。また、地元住民や移住者、観光客など多様なプレイヤーが交差する場としての設計を重視し、単なる機能提供にとどまらず、地域コミュニティの新たな交差点としての役割も担っています。
改修にあたっては、食品衛生や消防法規への適合を前提に、最小限の構造変更で最大の汎用性を確保。運営においては、入居者の自走と連携が促進される設計とし、ハードとソフトの間に立った“空間としての運営”を実践しています。