第7話  京都でアニメの作画塾、アニメーターのシェアハウス付きの作業場を作りたい


“京都の文化”といえばお寺、文学、伝統芸能などを連想しますが、

漫画やアニメなどのコンテンツ産業も

現代の京都の新しい文化を語る上でなくてはならないものになっています。

京都は漫画、アニメ、イラストレーションを学べる芸術系の大学が複数あり、

コンテンツ産業の教育都市としての側面も持っているのです。

今回の物語はこれからのアニメ産業の底上げとなる”場”を京都で作りたいという、

お二人の構想からはじまります。

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こちらは、アニメーターの井元さん。

井元さんは大学3年生でアニメーターになろうと決意。

その後、専門学校で学び、大阪のスタジオで修行をしました。

4年間の修行を経たのち、東京の制作会社から仕事を直接いただけるようになり

仲間とアニメーション制作の会社を立ち上げ。

そこでアニメーターを0から教育するという役割を担っていらっしゃいました。

現在ではフリーランスのアニメーターとして活動されており、

東京以外でのアニメーターの実務教育の重要性を感じ

今年から新大阪のご自身のオフィスでアニメーターのための作画塾を開いていらっしゃいます。

 

アニメーター作業場

 

 

 

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こちらは、アニメーターの労働環境を学生時代から研究されている秋吉さん。

業界の構造上、アニメ制作のスタジオが東京に集中しており、

新人時代の給与が他のどんなジャンルの仕事よりも少ないので

地方から東京に行き、新人として修行するのが経済的にも精神的にもきびしく、

そこにアニメーターになるための大きなハードルがあるとおっしゃっています

そこでお二人はクリエイターのタマゴが多く住んでいる京都で

アニメの作画塾、アニメーターのシェアハウス付きの作業場を作りたいという構想をたて、

その準備に励んでいらっしゃいます。

家族経営されていたような店舗やお店つきのおうちがあればピッタリです。

 

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第8話 糸で結ぶ33メートルに、紡ぎ手もうひとり


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京都市内にある「島原」というまちをご存知でしょうか?

江戸時代以来、花街(かがい)と呼ばれ、歌舞音曲を伴う遊宴で賑わい

新撰組や勤王の志士などにも愛された、歴史的な文化交流のあるまちです。

しかし、島原大門など昔の面影を残しつつも、今では空き家や住宅が入り交じる地域となっています。

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そこで、この島原の一角、かつて繊維関係のお店が建ち並んでいた通を発信地に

昔のような活気を取り戻そう!と、『糸』をコンセプトにした文化交流スペース

糸でつながる33mのマーケット itonowa(イトノワ)」が2015年10月3日にオープンしました。

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itonowaのはじまり

はじまりは、お隣の呉服屋  村田 敬太郎(むらた けいたろう)さん。

広告会社での勤務経験を経て、5年前に京都に帰ってきました。

当時からお隣が空き家になっているのを知り、この場所を活用して

空き家と高齢化が増すこの地域に何か良いアプローチができないかと思ったそうです。

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そんな想いを抱えるとき、京町家の再生をメインとしている設計事務所の女性と出逢い

物件の相談をしたところ、強く賛同してくれ、一緒に企画を考えることになりました。

 

また、この建物は、古くから毎年夏「地蔵盆」の会場として提供していた経緯もあり

そのような歴史も紡ぎ「ここを地域に開かれた場所に」という想いが募りました。

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「空き家活用×まちづくり」モデル・プロジェクトとして

思い描くものはあるけれど、さて資金をどうしよう?

そんなタイミングで、ちょうど京都市による空き家活用促進の助成金として

2014年度「空き家活用×まちづくり」モデル・プロジェクトの公募が開始されていました。

この助成金は、今までに一番大きく、京都市としても非常に力の入った公募。

その分、判断基準も厳しく、希望者も少なくないため、採択されるのは至難の業でした。

 

しかも、その公募を知ったのは、なんと締め切り1ヶ月前。

急ピッチで、思い描いていたイメージを言語化し、企画書へと落とし込んでいきました。

さらに、地域とどう関わるかという点でアートディレクターの男性を仲間として迎えました。

その後も、不動産・税務、各方面の心強いメンバーを巻き込み、強力なチームに。

そして公開プレゼンによる審査を経て、見事採択。想いが実現へと加速していったのです。

 

糸でつながる33mのマーケット itonowa(イトノワ)

採択から約1年後、ついにオープンの日を迎えたitonowa。

前後に連なる2つの古民家を改装、その奥行きは33mです。

現在は、糸に関連した商品を扱う5つのお店と、入口横にコーヒースタンド、

中庭にはたくさんの鉢を並べた多肉植物屋さんが入っています。

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大学生たちの協力を受けて、オープン前に周辺地域600世帯に挨拶まわりをしたそうです。

そのおかげもあって、itonowaは今、近所の小さな子供から手押し車で訪れるおばあちゃんまで

地域のひとたちに広く親しまれる、ゆるやかな文化交流の場になりつつあります。

 

「糸」に関するお店たち、紡ぎ手をあともうひとり

現在すでに入っている5つの糸に関するお店、いったいどんなお店なのでしょうか?

手前の建物には、アンティーク着物などを扱った古道具・アートデコレーションのお店。

奥の建物には、子供着物・古布を活かした骨董ギャラリー・糸を使ったアート雑貨、

ヴィンテージウエディングドレスなど、様々な個性豊かなお店が入っています。

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そして、奥の建物の2階の真ん中にある一室が、今回借り主を募集しているお部屋です。

今は「和」に関するお店が多いので、洋裁や刺繍など「洋」に関するお店とのご縁があれば

よりお互いの個性を引き立て合えるかもしれませんね。

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図面「SHOP4」と書かれている、赤枠の内側が今回募集しているお部屋。

お部屋は既にリフォーム済みなので、変更できるところは、壁の色・床の色・照明です。

窓がなくコンパクト。現在付いている北欧アンティークの照明はお譲りいただくことができます。

 

島原はitonowaを起点に、これから変わろうとしはじめているまち。

今は人通りが多いとは言えず、お商売が簡単な土地ではありません。

それでも、itonowaという場を運営するひとたち皆で意見を交わして

一緒になってこのまちの未来をつくっていこうとする

そんな素敵なもうひとりの紡ぎ手との出逢いをお待ちしております。

こんな人にオススメ糸に関するものづくりのお仕事を営まれる方で、これからお店をちょうど持とうと考えていた方。
特に、洋裁や刺繍など。
建物の詳細既に全面リノベーション済み。好みで、壁の色・床の色・照明を変更可。(塗装の費用は応相談)
間取り図面参照(正方形、窓なし)
広さたて約2.8m × よこ約2.8m
初期費用(うち返金)保証金として賃料の1ヶ月分
月使用料お問い合わせをいただいた後、村田さんへ直接ご確認いただく流れとなります。
所在地下京区
DIYレベル★☆☆☆☆

(ライター:FootPrints 前田 有佳利

第6話 元鉄加工の木造工場


 

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京都で最も長いアーケードを持つ京都三条会商店街。

朝夕は通勤通学の方々の自転車が行き来し、

昼間は夕食の買い出しに来られたお母さん方で賑わっています。

千本通りと堀川通りを行き来する際にはせっかくだから

三条会を通って行こうと、よく思うものです。

その商店街から通り抜けられるある路地の先に物語の始まりとなる場所があります。

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木造伝統工法に約80平米の土間のダイナミックな空間は、元鉄加工の工場でした。

鉄を曲げる加工を行う数々のベンダーが並び、和の趣とインダストリアルが絶妙に融合した空間がそこに存在します。

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未だに職人さんが働いていた面影がいたるところ滲んでいる空間は

次の担い手を待っているようです。

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2階のスペースも少しあり、合計100㎡弱のスペースです。

 

ー小さく始めるシェア店舗・事務所として計画中ー

商店街の側で、将来商店街の一員になれるような

小さな店舗や事務所を始められるシェア施設を計画中です。

一定数の入居候補者が集まれば、物語が動き始めるかもしれません。

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こんな人にオススメ小さく始めたい人。将来商店街への出店に関心がある人。
建物の詳細現状木造作業場。7つのシェア店舗オフィスとして企画中
間取り
広さ
初期費用(うち返金)未定
月使用料1区画あたり4万円前後を予定
所在地中京区
DIYレベル★★★☆☆

(ライター:扇沢